今年のスイカ、いつもより早く熟しませんでしたか。
わが家の花壇で育てた小玉スイカ(ピノガール)が、片方は受粉から41日、もう片方は34日で食べごろになりました。7日も違います。同じ株から採れた実で、食べた感じもほとんど同じだったのに、です。
違いは「暑さ」でした。この記事では、小玉スイカの積算温度を気象庁の実データで計算して、その差をまるごとお見せします。
「暑い年は早く熟す」とはよく言われますが、実際に何日どう変わるのかを数字で見た記事は意外と少ないので、収穫時期に迷っている方の参考になればうれしいです。
そもそも積算温度って何?
積算温度とは、受粉した日からの平均気温を足していった合計のことです。
スイカは「日数」ではなく「浴びた温度の総量」で熟していきます。だから涼しい年は日数がかかり、暑い年は短くて済む。日数だけで判断すると失敗するのはこのためです。
計算はとても簡単で、その日の平均気温 =(最高気温 + 最低気温)÷ 2。これを受粉日から毎日足していくだけです。
気温はどこで調べるの?
わが家は気象庁の「過去の気象データ検索」を使っています。無料で、住んでいる地域に近い観測地点の日平均気温がそのまま見られます。
手順はこの4つだけです。
- 「過去の気象データ検索」を開く
- 地図から都道府県を選ぶ
- 観測地点を選ぶ(自分の市町村がなければ、いちばん近い地点でOK)
- 年月を指定して「日ごとの値」を表示
表の「平均気温」の列を、受粉日から足していけば完成です。
ちなみに、この計算はAIに聞くとあっという間にやってくれます。「6月6日から8月5日までの◯◯の平均気温を足して」とお願いすれば一発です。数字が苦手な方はぜひ。
もっと正確に出したい方は、庭に最高最低温度計を置く方法もあります。気象庁の観測地点は自宅と標高や日当たりが違うことがあるので、その場の気温で計算したい場合はこちらが確実です。
小玉スイカの積算温度は850〜900℃が目安
調べ直したところ、目安はこうでした。
| 品種 | 積算温度の目安 | 日数の目安 |
|---|---|---|
| 小玉スイカ | 850〜900℃ | 35〜40日 |
| 大玉スイカ | 1000〜1100℃ | 45〜50日 |
そして重要なのがこの一文です。
平均気温25℃なら34〜36日程度
つまり気温によって日数は動くのが前提なんですね。
実はわたし、以前の記事で「950℃くらい」と書いていました。今回きちんと調べ直したら850〜900℃が標準で、少し高めの数字をお伝えしていました。すみません。ただ、この「高め」がわが家では結果的にいい方向に働いていて……その話は次でお伝えします。
小玉スイカの積算温度を実測|同じ株で41日と34日
ここが今回いちばんお伝えしたいところです。
| 1玉目 | 2玉目 | |
|---|---|---|
| 育てた場所 | 花壇(同じ株) | |
| 受粉日 | 6月10日 | 7月2日 |
| 収穫日 | 7月21日 | 8月5日 |
| 日数 | 41日 | 34日 |
| 積算温度 | 約976℃ | 約925℃ |
| 1日あたり平均気温 | 約23.2℃ | 約27.2℃ |
| 甘さ・シャリ感 | ほとんど同じ | |

同じ株から採れた2玉です。食べた感じもほとんど同じでした。それなのに、食べごろになるまでの日数は7日も違ったんです。
「35日が目安」とだけ覚えていたら、1玉目は6日も早く切っていたことになります。逆に2玉目を「前回41日だったから今回も41日」と待っていたら、1週間も過熟させていました。
味は同じ。変わったのは「日数」だけでした
この比較でいちばん大事なのは、2玉の味がほとんど同じだったことです。甘さもシャリ感も、食べ比べて「どっちがおいしい」と言えないくらいでした。
同じ株から採れて、仕上がりも同じ。つまり株の差も、出来の差も、ここには入っていないということです。変わったのは「いつ実らせたか」だけ。だから日数の違いは、ほぼそのまま暑さの違いだと言えます。
実際、1日あたりの平均気温は23.2℃と27.2℃でちょうど4℃差。そして34日という日数は、「平均気温25℃なら34〜36日」という一般的な目安とぴったり重なります。数字がきれいに噛み合いました。
気づいたこと:どちらも目安を超えてから収穫していた
表をよく見ると、976℃も925℃も、目安の850〜900℃を超えています。
とくに1玉目の976℃はかなりのオーバー。食べたときも「少し熟れすぎかな」という感じでした。それでも十分おいしく食べられたのは、ピノガールが「収穫が遅れても種まわりが傷みにくく、シャリ感が保たれやすい」品種だからだと思います。
とはいえ、900℃を大きく超えると「熟れすぎ」に向かうのも事実。目安の850〜900℃を少し過ぎたあたりが狙い目というのが、今年の実感です。品種によって違うと思うので、育てている品種の特性は確認してみてください。

ちなみに、今年いちばん甘かったのは別の実でした
正直に書いておくと、今年いちばん甘かったのはこの2玉ではなく、コンテナプランターの株から採れた実でした。花壇の2玉は、それに比べるとどちらも一歩ゆずります。
ちなみに、わが家は花壇もコンテナも袋を使った高畝という点は同じです。違うのは「コンテナプランターか、花壇か」だけ。それでも甘さに差が出たのは、日当たりや水はけ、元肥のちがいが効いているからでした。こちらは「暑さ」ではなく場所の違いの話なので、甘さを追いかけたい方は別の記事にまとめています。
猛暑の年ほど「早く・短く」なります
2玉目は34日で熟しました。これ、実は標準ど真ん中なんです。「平均気温25℃なら34〜36日」の目安どおり。
むしろ41日かかった1玉目のほうが「涼しい時期ならでは」でした。6月はまだ気温が低かったので、温度が貯まるのに時間がかかったんですね。
数字にするとこうなります。900℃に届くまでにかかる日数は、
- 1日23.2℃ペース(6月〜7月中旬)→ 約39日
- 1日27.2℃ペース(7月後半〜8月)→ 約33日
ペースの違いだけで6日変わります。残りの差は「どこで切るか」の判断分ですね。
猛暑の年は「食べごろの幅」も狭くなります
2玉目を切ったとき、シャリ感が少しザラっとしていました。「1日遅かったかな」というのが正直な感想です。
積算温度925℃は、目安の850〜900℃をすでに超えていました。暑い時期は1日に27℃ずつ積み上がるので、のんびりしているとあっという間に通り過ぎてしまうんですね。涼しい時期なら1日23℃ですから、同じ「1日待つ」でも意味が変わってきます。
猛暑の年は、900℃を超えたら毎日チェック。これが今年得た教訓です。
積算温度だけでは決められません(巻きひげの話)

収穫サインの定番に「実がついている節の巻きひげが枯れる」があります。2玉目はこのサインどおりでした。
- 2玉目(7月2日受粉):収穫の3日前にはすっかり枯れていた
- 1玉目(6月10日受粉):収穫当日は見るのを忘れてしまいました。翌日に確認したら枯れていたので、収穫時にはもう枯れていたのだと思います
ただ、ひげは絶対のサインではありません。というのも、別に育てていたコンテナプランターの実は、収穫当日になっても巻きひげが緑のままだったんです。よく見ると先端2ミリだけ枯れかけている程度。それでも中身は今年いちばんの甘さでした。
つるがまだ元気だと、ひげは枯れにくいようです。ひげは実の熟し具合だけでなく、つる全体の元気さも映してしまうんですね。
だから巻きひげ「だけ」では判断できません。わが家では次の4つを合わせて見ています。
- 受粉からの日数
- 積算温度
- 巻きひげの状態
- 叩いた音
音については、比べる対象がないと正直わかりません。同じ株についている小さい実を叩いて聴き比べると差がわかりやすいです。

収穫直前の大雨で、甘さが少し落ちました
2玉目を収穫する2日前、34mmのまとまった雨が降りました。
食べてみると、1玉目よりも甘さが控えめ。雨で根から水を吸い上げて、果汁が薄まったのだと思います。プロの農家さんが収穫前に水を控えるのは、これが理由なんですね。
ただ、面白いことがありました。
スイカを食べたすぐあとに、固めの桃を食べたんです。桃のほうが甘いだろうと思っていたのに、同じくらいでした。雨で薄まってなおこれなら、十分すぎます。スーパーのスイカよりはしっかり甘かったです。
収穫日を選べるなら、雨のあと2〜3日は避ける。覚えておくと味が変わります。

受粉日がわからなくなったときは
積算温度は受粉日がわからないと計算できません。でも、うっかりタグを付け忘れることってありますよね。
わたしもやりました。「どうせ受粉しないだろう」と思った雨の日の花に、タグを付けなかったんです。ところが着果してしまって。
そのときは気象庁の降水記録から逆算しました。「雨の日の朝に受粉した」という記憶と、実の大きさ。この2つを降水データと突き合わせたら、候補が1日に絞れました。
日付を記録するのがいちばんですが、忘れても諦めなくて大丈夫です。
なお、スイカは追熟しません。切ってから置いても甘くなりませんので、早採りのメリットはありません。迷ったら少し待つほうが安全です。

まとめ
小玉スイカの積算温度は850〜900℃が目安ですが、そこに至る日数は年によって大きく変わります。
- 同じ株から採れた2玉でも41日と34日の差が出た(味はほぼ同じ)
- 涼しい時期は日数がかかり、暑い時期は短くなる(23.2℃ペースと27.2℃ペースで約6日差)
- 猛暑の年は食べごろの幅も狭い。900℃を超えたら毎日チェック
- 目安を大きく超えると熟れすぎに向かう。850〜900℃を少し過ぎたあたりが狙い目
- 巻きひげはつるの元気さも映すので、単独では判断できない
- 収穫直前の雨は甘さを下げる
受粉日を記録して、気象庁のデータで積算温度を計算する。この2つだけで、収穫の精度はぐっと上がります。今年のように暑い年こそ、日数の思い込みが危ないので、ぜひ試してみてください。


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