スイカをプランターで育てるか、地植えにするか。迷ったことはありませんか。
「広い場所があるなら地植えのほうがよく育つでしょう」——わたしもずっとそう思っていました。ところが今年、花壇(地植え)とコンテナプランターの両方で同じピノガール(小玉スイカ)を育てて、同じ日に食べ比べてみたら、予想と逆の結果になったんです。
先にお伝えしておくと、広い庭がなくてもがっかりしなくて大丈夫です。プランターでも十分に甘いスイカは穫れます。この記事では、そう思えた理由を、わが家の実測データと正直な感想でまとめます。
結論:わが家ではプランターのほうが甘かった
同じ日に、同じタイミングで切って食べ比べた結果、コンテナプランターで育てた実のほうが甘かったです。
正直、意外でした。花壇のほうが土の量も多く、根も広く張れるので、てっきりそちらのほうがよく育つと思っていたからです。
食べ比べたのは、わたしと次男の2人。(長男はスイカが嫌いなので不参加でした……)。2人とも同じように「こっちのほうが甘いね」と、コンテナのほうを選びました。
ただし、これはわが家の1年ぶんの結果です。株が別なので「置き場所の差」と言い切れない部分もあります。そのあたりは記事の後半で正直に書きますね。
今年収穫した4玉のデータ
今年収穫したピノガールは全部で4玉。受粉した日にタグをつけて記録していました。
| 受粉日 | 育てた場所 | 仕立て方 | 収穫日 | 日数 | 味の感想 |
|---|---|---|---|---|---|
| 6月6日 | コンテナ | 空中栽培 | 7月20日 | 44日 | 今年いちばん。甘さもシャリ感も文句なし |
| 6月11日 | コンテナ | 吊り玉ネット | 7月20日 | 39日 | 少し熟れすぎ。でもとても甘い |
| 6月11日 | コンテナ | フルーツマット | 7月21日 | 40日 | 少し熟れすぎ。でも花壇より甘い |
| 6月10日 | 花壇(地植え) | オベリスク仕立て | 7月21日 | 41日 | 少し熟れすぎ。甘さは控えめ |
このうち直接食べ比べたのは、下の2玉です。6月10日受粉の花壇の実と、6月11日受粉のコンテナの実。受粉日は1日違い、収穫日は同じ。この2玉を同じ日に切って、並べて食べました。
条件がここまでそろうことはなかなかないので、比べるにはうってつけでした。上の2玉は前日に食べたものなので、こちらは記憶での比較になります。
プランターと地植え、なぜ差が出た?考えられる4つの理由
① 日当たりの時間がまるで違った
これがいちばん大きいかもしれません。
わが家の花壇は、お昼を過ぎるころには株元が日陰に入りはじめます。午後は一部に日が差すくらいで、大半は日陰。つまり、しっかり日が当たるのは午前中だけなんです。一方、コンテナプランターを置いている場所は、日陰になるのがもっと遅い。
スイカの甘さは、葉が光合成でつくった糖が実にたまることで生まれます。日を浴びた時間が長いほど、つくられる糖の量も多くなるわけです。
置き場所を自由に選べる。これはプランター栽培のいちばんの強みだなと実感しました。地植えは動かせませんから。
② 水はけがよかった
これは、わたしが最初に「たぶんこれかな」と思った理由です。
コンテナプランターは容器の底から水が抜けるので、土が乾きやすい。実際、今年の7月は毎朝土が乾いてしまって、朝夕2回水やりをしていたほどでした。正直、かなり大変でした。
ところが調べてみると、この「乾きやすさ」こそが甘さにつながるようなんです。プロの農家さんは収穫の8〜10日前から水を控えて糖度を上げるという管理をするそうです。実の中の水分が減ることで、糖の濃度がぎゅっと高まるんですね。
つまり、わたしが「面倒だな」と思っていた条件が、そのまま「甘くなる条件」だったということになります。
水やりのタイミングや量については、こちらの記事に詳しく書いています。

③ 土の温度が上がりやすい
容器で育てていると、地面よりも土が温まりやすくなります。地温が高いと根の活動が活発になり、糖をためるうえでも有利に働きます。
④ 元肥の中身が、まるで正反対だった
これは記事を書くために振り返っていて、あとから気づいた理由です。自分ではまったく意識していませんでした。
元肥(もとごえ=植え付けのときに、あらかじめ土に混ぜておく肥料のこと)を並べてみたら、2つの株はこうなっていました。
| 元肥 | 多く含まれる成分 | |
|---|---|---|
| コンテナ | マグァンプK | リン酸 |
| 花壇(地植え) | 牛ふん+油かす | チッソ |
肥料の成分には役割があって、ざっくり言うと——
- チッソ:葉やつるを大きく育てる
- リン酸:花を咲かせ、実をつけるのを助ける
- カリ:根を丈夫にし、糖を実に送るのを助ける
コンテナに使ったマグァンプKはリン酸が主体の肥料。一方、花壇に入れた油かすはチッソが多めの肥料です。つまり、意図せずして正反対の性格の肥料を使っていたことになります。
そして今年、実際に起きたことがこれです。
- コンテナの株:6月上旬に次々と受粉が成功し、どんどん実がついた
- 花壇の株:なかなか実がつかず、ようやくついたのが6月10日。株自体は元気で、葉は青々と茂っていた
肥料の性格と、株の振る舞いがぴったり一致していました。チッソが効いていた花壇の株は葉やつるを育てるほうにエネルギーが向かい、リン酸が効いていたコンテナの株は花と実のほうに向かった、と考えると筋が通ります。
さらに調べると、チッソが効きすぎると糖度が上がりにくくなるというのは、複数の栽培情報で共通して書かれていました。
日当たりと水はけだろうと思っていたのですが、まさか肥料の中身にも理由があったとは。狙ってやったわけではなく、たまたま違う肥料を使っていただけなので、思いがけない発見でした。
おまけの発見:いちばん甘い実ほど、巻きひげが緑だった
もうひとつ、4玉を通して面白いことに気づきました。巻きひげ(実の近くのつるから出る、くるくるした細いひげ)の枯れ具合のことです。
スイカの収穫サインとして「実の近くの巻きひげが茶色く枯れたら収穫どき」とよく言われます。ところが、わが家の4玉はこうでした。
- いちばん甘かったコンテナ6月6日の実:収穫した日でも、巻きひげはまだ緑(先っぽが少し枯れかけていたくらい)
- 熟れすぎていた花壇6月10日の実:収穫の翌日に見たら、巻きひげは枯れていました
- 残りのコンテナ2玉も、早い段階でひげが枯れていました
つまり、いちばんおいしかった実だけ、ひげが緑のままだったんです。ひげが枯れるのを待っていたら、むしろ通り過ぎて熟れすぎになっていた、ということになります。
巻きひげはあくまで目安のひとつ。日数や叩いた音など、ほかのサインと合わせて見極めるのが安心です。このあたりは収穫の記事に詳しくまとめています。
正直に書いておきたい、この比較の限界
ここまで「プランターのほうが甘かった」と書いてきましたが、公平を期すために、この比較の弱いところも書いておきます。
- 株が別々です。同じ株の実を場所だけ変えて育てたわけではないので、「置き場所の差」なのか「株の個体差」なのかは分けきれません
- 土の中身も元肥も違います。どちらも再生した土ですが、由来も入れた肥料も別物です
- 直接食べ比べたのは2玉だけ、しかも1年ぶんの結果です。来年やったら逆になる可能性もあります
それでも、同じ品種を・同じ日に・同じ人が食べ比べたデータには、それなりに意味があると思っています。来年はコンテナを主力にしてみようかな、と考えているところです。
ちなみに、収穫のタイミングの見極めについては、こちらにまとめました。今年は受粉から44日でようやくちょうどよかったんです。

食べ比べた4玉のうち1玉は、実は栽培中に割れてしまった実でした。その顛末はこちらに書いています。

おまけ:4玉すべて「再生した土」で育ちました
もうひとつ、書いておきたいことがあります。
今回収穫した4玉は、すべて使い回しの土で育ちました。
- コンテナ:大部分は去年ナスを植えていた土。立ててある袋の中は、バラやいちご、花に使っていた土。どちらも再生して使いました
- 花壇:去年トマトとニンジンを育てた土。収穫が終わったあと、残った根や茎をカルスで分解処理してあります
新しい培養土を買い足したわけではありません。それでも、いちばん甘かった実も含めて、4玉すべてが無事に収穫までいきました。
「土は毎年買い替えないといけないのかな」と思っている方がいたら、再生という選択肢もありますよ、とお伝えしたいです。
ちなみに、わが家で土の再生に使っているのはこちらです。残った根や茎を土にすき込んでおくと、微生物が分解してくれます。
排水対策については、こちらの記事も参考にどうぞ。

まとめ
同じピノガールを花壇(地植え)とコンテナプランターで育て、同じ日に食べ比べた結果をまとめます。
- わが家ではコンテナプランターのほうが甘かった
- 考えられる理由は4つ。①日当たりの時間が長い ②水はけがよい ③地温が上がりやすい ④元肥がリン酸主体だった
- ただし株が別なので、置き場所の差だけとは言い切れない
- 4玉すべて、再生した土で収穫までいけた
「広い場所がないからスイカは無理かも」と思っている方に、いちばん伝えたいのはここです。プランターでも、十分に甘いスイカは穫れます。むしろ置き場所を選べて、水はけをコントロールしやすいぶん、条件によっては有利なくらいでした。
来年は、甘かったコンテナを主軸にしていくつもりです。ただ、花壇の株もいま2番花が咲いているので、こちらがうまく実れば、来年も今年のように花壇とコンテナの両方で育てるかもしれません。

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